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初動負荷理論とは (「奇跡」のトレーニング−初動負荷理論は「世界」を変える より) |
(※1) 初動負荷理論の英語略がB.M.L Theory。 初動負荷トレーニングの略がB.M.LTraining (※2)加速度…ある時間の間に起こった位置の差が変位(m)であり、変位を時間間隔で除した量が速度(m/sec)であり、また、速度変化を時間間隔で除した量が加速度(m/sec2)である。
(※4)参考著書『初動負荷理論に基づく野球トレーニング革命/ベースボールマガジン社』小山裕史著。 |
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私が創案して、命名した初動負荷理論は、運動器系や呼吸循環系を含む様々な臓器機能改善の発見とも言われます。1995年に、私は次のように定義しました。
そして、その実践法が初動負荷トレーニング(以下B.M.L.T.※1)です。スポーツに限らず、神経・筋肉・関節へのストレスの解除、老廃物の除去等、身体に有益な状態を作ります。 一般に「力」という言葉は、物を押したり引いたりするときに筋が発揮する感覚や努力感という意味で使っています。これを物理学的な見地で説明するならば、力は質量(ある物体の重さと考えましょう)と加速度を掛け合わせたものと定義できます。しかし、スポーツ場面での競技力の向上には力だけでは不十分で、パワー(力とスピードの積)がなくてはなりません。ですから、一般に使っている「力」という言葉は、実際にはパワーといった表現が適当でしょう。 私の「初動負荷理論」での動作形態は、このパワー発揮に有効であることがわかっています。例えば、筋肉をバネと考えてみてください。バネは負荷によってある方向に引っ張られると伸張しますが、負荷を適当な段階で軽くするとバネは元の位置に戻り始めます。このとき負荷が適切に漸減(難しいので減少と考えて下さい)できれば、バネの短縮速度(※2)は高まり、大きなパワーが生まれます。B.M.L.T.はこの機能を応用しています。 筋肉は、関節をまたぎ骨に付着しています。筋肉が収縮したとき筋の伸び縮みは、負荷の大きさによって決まります。収縮力が負荷と同じならば筋の長さは変化しません。これを等尺性収縮と呼びます。負荷よりも大きな収縮力であれば筋は短縮(短縮性収縮)、逆に、負荷が大きければ筋肉は伸びながら収縮し、このような収縮様式を伸張性収縮と呼びます。B.M.L.T.では、伸張性収縮と短縮性収縮をうまくつなぎ合わせたところに特徴があります。 もっと具体的に、初動負荷トレーニングでの筋の収縮様式を説明しますと、先ず最初は筋を弛緩させて短くした状態から始まります。そこに負荷が掛りますと筋は伸張性収縮によって力を出していくことになります。張力が最大となったところで素早く短縮性収縮に切り換えますが、そのとき負荷が適切に減少されれば収縮速度は加速し、パワーの増大が期待されます。 トレーニングでは、身体根幹部の筋群を十分伸張させることが大切です。身体根幹部の筋群で力を発揮、その筋力から出た力をうまく使って手足などの末端部を動かせばよいのです。末端部に位置する腕や膝、フクラハギの筋肉はリラックスが必要で、できる限り余計な張力を発揮させたくありません。この動作形態が初動負荷理論の特徴です。末端部の筋肉が大きく出力すれば、せっかく身体根幹部で作り出した力が生かされず、むしろ動きが硬くなり、加速度が制限されます。 初動負荷理論の特徴の具現化は、神経と筋肉の合目的的な協調性(難しくいえば神経筋協応能)を高めます。これにより、神経・筋機能(相反神経支配、反射)の促進、血流や代謝の促進、老廃物の除去、身体の歪みの矯正、関節や筋肉、そして精神的なストレスの除去等で優れた効果が発揮され、様々な疾病、故障予防・改善に役立ちます。 更には「共縮」の防止を可能にしたことがB.M.L.T.の卓越性の一つです。人間は、二足歩行という姿勢、身体の歪み、筋肉・関節の硬さ等が原因で、「共縮」という、緊張、肩凝りのような状態に身体の各部分がさらされています。血流、神経、筋肉そして関節に対する悪影響は計り知れません。この「共縮」を防げば、神経と筋肉の機能の促進、神経と筋肉の協調性が高く保たれることになります。しかし、その理論、実践法が見つからないので「机上の理想論」と嘆く人もいたようです。 「負荷」は、トレーニング・マシーンの「重さ」のみを指すものでなく、身体位置変化や、それによって起こる重心位置の変化が作る「力」なども「負荷」となります。 私はフリーウエイト(※3)でもB.M.L.T.を実践しましたので、絶対無理というものではありませんが(※4)、一般的には、身体の歪みや筋肉・関節の硬さを持つ人が多く、バランス形成、ポジション変化、重心位置変化、歪みの矯正、誘導等が困難です。 動作初期に、適切な力や刺激を加え、筋紡錘という筋固有の感覚受容器に感知させ、リラックスしたバネのような筋肉を自然に適度に伸張させて反射を起こさせ、適切に負荷を漸減できるかどうかが鍵となります。先に述べた認識や特性の解決無しに負荷をかければ、「最初に負荷をかけて、動作初期の負荷強度を増す」等の勘違いや誤動作が生まれ、これは負荷の漸減とは全く逆ですので、好ましくない共縮状態を作ってしまいます。これらを解決し、初動負荷理論の動作形態特徴を具現化したのがB.M.L.T.マシーンです。
日常生活を含めた全ての運動は神経の指令によって行われます。 大脳皮質(脳)からの随意的な指令に対し、脊髄から無意識的に起こる指令を「反射的指令」と呼びます。この反射によるものが自然な、しなやかな動作を生み出します。 大脳皮質からの指令が動作の途中で強く続くと、反射で起こったしなやかな動作は制限され、硬い動き、故障、血流阻害などを起こします。 一般的に、筋肉はバネのように伸びて縮む時に力をより大きく出すことを勉強しました。しかし実際には私たちの運動は様々な関節と筋肉の集合動作から成り立っています。わかりやすくするために、ボール投げの時の「腕の動きだけ」を考えます。 途中まで肩を回しやすいように腕を曲げ、そして腕を伸ばしながらボールを離しますね。この腕・肘を伸ばすという作用を受け持つのは、上腕の裏側の筋肉です。腕を曲げている時は伸び、伸ばす時に縮みます。 一方、関節を伸ばそうとする時、伸ばさないように働く筋肉があります。力こぶの筋肉がそうですが、力こぶの筋肉に力を込めてボールを投げようとしても投げられません。 自動車の急発進と急バックを同時に行っているようなもので「動けない」のです。これを繰り返していると、「エンジン、各部所の故障」が連想できますね。筋肉同士のこのような状態を「共収縮」「共縮」と呼びます。 身体の歪み、良くない動きも、この「共縮」状態を作り、ゴルフでよく表現されるイップス、また、肩凝り、腰の張り、横になってテレビを見ていると身体が固まっているなどの例も「共縮」です。「共縮」=「血行障害」もイメージしやすいですね。 神経と筋肉の機能、神経と筋肉・腱の協調性の同時発達を求め、「共縮」状態のない身体を作ろうとするのが初動負荷理論・初動負荷トレーニングです。 大脳皮質の働きは、随意的な神経制御ですので、急にファウルボールが飛んできたので追いかけた、フェンスが近い、危ないから動きを止める…このような臨機応変な動きの司令塔のようなものです。またこういう時に働けば良いのです。そして、共縮は、筋肉の緊張状態だけでなく、神経も強く長く緊張させるという点が怖いところです。 |
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